2009年03月04日

バンクシーとノマドロジー(遊牧論)1

「平和とか正義とか自由とか・・・西洋の民主主義じゃもう誰も信じなくなったことを、匿名でも声高に叫ぶ勇気が、おれにあればなって思う」 バンクシー『壁と平和』


ガーディアンとのインタビューで彼自身が言うように、バンクシーのアーティストとしての始まりは、「仕返し」だったという。「学校じゃあ持ち物すべてに名札をつけさせられた、そんな感じ。おれは電車もってないから、そこらへんの電車に自分の名前を書く。そうやって名前を書きまくって、この街の半分くらいを所有することができるんだ。」

バンクシーはグラフィティ・アーティストといわれるけれども、グラフィティーは公共空間への落書き、いたずらがきと紙一重、っていうかそのものだ。が、今日のような現代アートのコンテクストにあっては、匿名の落書き、というだけじゃすまない。

アーティストの作品に対する権威(ロラン=バルトの『作者の死』またはフーコー以降の議論)や、私的/公的財産権、政治的トピックへの言及など。かといって重苦しくはなく、様々な外的要因を意識しながらも、遊び心をもち、皮肉いっぱいながらも軽さをわすれないバランス感覚は絶妙。

グラフィティというストリートのゲリラ戦略で、システムに管理されたキャピタリスト空間それ自体を自分のキャンバスにし、住民を巻き込みながらこれを有効なアートスペースに変えたことは、またギャラリー主体であるハイアートときれいに対比していておもしろい。


(つづく)
posted by ろんどな at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ピーター・ハリー☆ポストモダンなアブストラクト!

Minini 2008 installation.jpg


ピーター・ハリーの2008年、イタリアでやったインスタレーション。

縦線は接続回路(コンデューイット)、四角は監房(セル)。

というと、勘のいい人なら「あーー、なんか現代社会のこといってんだろな」
となんとなく気づくでしょう。

たぶんそうなんですw カンディンスキーじゃなくてモンドリアン系のアブストラクト。

ピーターいわく、

「幾何学的フォルムは理想を表すフォルムなんかじゃなくて、実用的、政治的、社会学的な目的をもってわれわれを取り巻いているポスト工業化社会の理念だ・・・」

ポストモダニズムの匂いがぷんぷんする。現代都市、情報社会、コモディティー文化とポスト工業空間。そしてかれの率先した70−80年代のアメリカの美術運動、その名もシミュレーショニズム。。ボートリヤールじゃん。。監獄はなんかフーコーのイメージw

監獄、鉄格子、複雑に入り組む回路、そしてかさなるセル、セル、セル。。

・\\・・\\\・・なんか滅入ってくる。

もっと直裁な現代社会への告発糾弾のたぐいではなく、別に否定も肯定もしない。
かわいーーーー色でちょっと解毒してるあたりがますます複雑だ、
というよりも独房に対するネガティブイメージなんてそもそもないのかもしれない。むむ。


そしてたまには独房と回路がぜんぜん交わらなかったりもする。もう野暮な解説はしませんw これは初期の80年代の作品。

Prison with conduit edit.gif


左が「独房と回路」、右が、「白い独房と回路」。結構すき。

下は "no man's land" 誰もいない土地。

Nomans land.gif


ああ、回路がw さみしいことになってるっww

そしてついでに最近の作品、

not yet titled.gif


独房のみ。回路なし。



posted by ろんどな at 06:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月03日

「愛国心から」中国のおっさん、金ないくせに39億円で落札。。。

北京円明園のブロンズ像。。

今は愛国主義教育の象徴ともなっているらしい清代の円明園ですが(よくわかんないw)、
第二次アヘン戦争(1856年)でイギリスとフランス軍にぶっつぶされ、廃墟となったところです。その時強奪された、っていうか多分勝手にヨーロッパにもって帰った文化財が、オークションに出品されるっていうので、最近話題になりました。

今回の舞台はパリ。イヴ・サンローラン(YSLってブランドの創始者、そう、あの靴下のやつw)が去年死んじゃったので、彼のコレクションを出したオークション。

YSL Auction.jpg




で、今回問題となってる中国の「流出文化財」はコレっ!!

China Bronze.jpg

中国も国民総出、政府までからんで騒いでるけど、これイタリア人の宣教師がデザインしてつくったやつらしい。で十二支なので当然12体あって、これ2体と、あと5体行方不明で、5体はもう中国企業が10億円かけて買い戻し政府に「献上」したらしい。(一体どんな国なんだよっ!)

この世界に12体あるっていうのがコレクター心理をそそるのか、中国側はむきになってなんとしてでも取り返そうとしているのがおもしろい。

まず政府筋が購入を申し入れるも一体10億円といわれ逆切れ。

81人の弁護士団がパリ司法にオークション中止を要請。→却下。

四川省の女の子がこれに怒り心頭、なにを血迷ったか「じゃあエッフェル塔をオークションにかける」と宣言。→パリには声届かず。言葉が通じずw

しかもイヴ・サンローランのパートナーでコレクション出品者のピエール・ベルジェが、

「チベットを自由にしてダライラマを戻してやったら、だだでくれてやるよ」

とコメントw



そんな中、オークションになったんですが、
なんと電話一本で落札されたらもよう、36億円で。

画商やってる中国のおっさんで蔡銘超(ツァイ・ミンチャオ)というらしい。

「中国人ならこの瞬間、だれでもこうしたはずだ。幸運にも私にはその資格があった。落札には、いち中国人として立ち上がり責任を果たしたつもりだ。しかし代金は払わない!

ドドーン!!

「しかし支払い責任を放棄することによる中国人の信用問題は?」

中国文化省の役人、
「あくまで個人の責任としてやったことですから、
個人として責任とってほしいですね。」



このおっちゃんは国民的ヒーローになれるのか。。



posted by ろんどな at 13:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。