2009年03月22日

バンクシーとノマドロジー(遊牧論)4

つづき

このような商業主義への反発には、バンクシー自身『壁と平和』のなかで Brandalism ブランダリズムとわざわざ造語までつくっちゃってる。 文字通り vandalism 荒らし と、brand をかけて。

射程を十分にとってあくまで周辺からヤジをとばすようなwやり方で、いかにもノマド的。ここでもやはりバンクシーの匿名性が効果的だ。

フーコーが『監視と処罰、監獄の誕生』で主張しているように、もし現代社会が国家機構によって植えつけられた監視と処罰のメカニズムであるならば、バンクシーは自分を匿名にすることによってその監視を不可能にしている。もちろん彼自身かたっているように、匿名なのは公共物破損(落書き行為)を繰り返している奴らにとってはあたりまえかもしれないw が、ここはあえて強引にバンクシーとポストモダニスムを結びつけたい。いや、なんとなく。

なんか疲れてきたので、次回でサラッとまとめておわりにするっす。

posted by ろんどな at 14:37| Comment(49) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月20日

バンクシーとノマドロジー(遊牧論)3

さて、ここら辺でバンクシーの作品を実際に見てみたい。(ちなみにグラフィティを作品とかアートとかいうことは別にバンクシーの望んでるところでもないしそれをよしとしない追随者もいるでしょうけど、適切な言葉探すの面倒なのでこういう風にいってますw)

バンクシーは一方的なメディア通信がきらいらしい。巨大な多国籍企業からいち消費者へのほとんど暴力的な情報のおしつけなど。そうした商業主義を代表するツールとしてテレビのモチーフはよく用いられている。たとえばこれとか。


banksy tv.png


なんとわかりやすい!w

banksy girl-tv.jpg


これは絵的には逆だけれども言ってることは同じだろう。

ヤボな解説はやめてバンクシーの引用をつけときます。べつにこの作品についてのコメントじゃないけど似た文脈で。

People are taking the piss out of you everyday. They butt into your life, take a cheap shot at you and then disappear. They leer at you from tall buildings and make you feel small. They make flippant comments from buses that imply you're not sexy enough and that all the fun is happening somewhere else.

(みんなおまえをおちょくってる。おまえをつついて狙い撃ちしてどっか消えちゃう。高いビルからニターッっていやらしくわらってきみを窮屈にさせるんだ。適当なコメントをしてきみがいまいちセクシーじゃないとか楽しいことはきみの知らないところで行われているって、思い込ませてる。)注→ テレビとか広告とか雑誌のネタとか。

posted by ろんどな at 15:30| Comment(13) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

バンクシーとノマドロジー(遊牧論)2

バンクシーについて考える時に、キータームとなるのが彼の匿名性だ。

これはバンクシーの作品にカルト的人気をもたらした要因の一つで、まさに匿名であるということがアーティストを神格化する。ヴァルター・ベンヤミンが『複製技術時代の芸術』でいったオーラの不在をいかにもわかりやすく補っている。つまりオリジナルの作品にはオーラがあってメカニカルにつくられた複製にはそれがない。ステンシルなんて一瞬で複製できるから、量産すればますますオリジナルのオーラは出にくい。バンクシーの匿名性は、芸術作品のそのような欠損を補い、カルト的な人気を生み、またアートマーケットにおいても有効に機能した。

イギリスのファインアートの世界はセレブリティー文化に吸収された観がある。ダミアン・ハーストなんかは典型だけれども、アーティストがクールでかわったことをしてメディアが扇動してマスが踊る、そこにドバドバ金が流れるっていうパターンがまず一つある。セレブ気取りのアーティストがモデルや芸能人と一緒にパーティーで遊んでいる、自分の顔を売ってその作品の値をつり上げていくように。作品に自分の顔をステッカーみたいにくっつけて売っている。作品よりも顔の方が有名なアーティスト、映画監督、俳優なんでもいいけど、そういうのはよくあることかと思う。

バンクシーは自分を匿名にし、私生活を一切あかさず、作者にまとわる物語性を一切拒絶する。ということは浮気を激写されて週刊誌にだされたりパパラッチに追いまくられたりすることもない。それはただわずらわしいことがなくていいというのもあるけど、もっといえば記号にうめつくされた資本主義体制にあってマーケットの機械運動にのみこまれることなく、その運動の目的である金の流れを横取りしている。うーむ、こんな風に金儲けできたらなあw

posted by ろんどな at 13:32| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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